通勤時間に通る道に、巨大なポスターがある。
そこにブロンドの女性がこちらをじっと見ている姿が写し出されていて、このポスターの前を通るたびに「うわ、美人」と驚く。
特に笑顔という訳ではないが、口が少し開いていて、モデル顔と表現すればいいのだろうか。まぁ、説明しにくいがそういう表情なのだ。
通勤中、毎回ポスターの前を通るたびに、さて今日はどうだろうと目を向ける。「やはり美人」とか「どう見ても美人」「また美人」「ふざけんな!美人!」と何度見ても相変わらず綺麗なので、ある日このままこの場所を通るたびにこの美人を見続けていれば、いつかこんな美人でも滑稽に見えてくるのではないか?という馬鹿馬鹿しい考えが浮かんだ。
今になって考えると、自分自身が滑稽に見えてくるがポスターの前に立った私は「明日ここにたった時、もの凄くアホなポーズをこの美人がとっていたら面白いのに」とか、とても酷い事を考えていた。
が、一日たってもやはり美人。二日たっても美人。三日、四日、五日と日を重ねたが相変わらずそのポスターの美女は非の打ち所が無く、美しかった。綺麗だ。畜生。
★
昨日、いつものように通勤中そのポスターの前を通ると別のポスターに貼り変わっていた。
ブロンドの美人の姿は無く、よく分からない別の女性がそこに立っていた。何故。
こう、ブロンドの美人が違うポーズを取っているとかそういう事でなく完全に別人だった。あ、あれ。俺が求めていたのはこういう事じゃないのに。
あの美人はどこへいってしまったのだ。
……ああ。





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